『誰も知らない』

是枝作品の中で一番好き。『リリィシュシュ〜』の市原隼人と重なるような柳楽優弥が凄く良かった。エッジの立ってない映像が普通の日本の風景をきちんと見せてくれるから、この作品は安心して見られる。今までの作品だってそうでなかったわけではないけれど、『ワンダフルライフ』はドキュメントのインタビュー的なシーンがダラダラしてしまう感じがしたし(小説を先に読んでしまっていたからというのもあるけれど)、『ディスタンス』は実験的過ぎたし。音楽が極端に少なくて、入ってくるタイミングも、音の雰囲気もすごくいいなと思っていたら、ゴンチチだった。通りで。らもさんが、「いい酒は水に似る、そしてそういった酒を音楽で表現しているのがゴンチチだ」みたいなことを書いていたけれど、まさに。それにしても、ラストからの続きが凄く気になる。パンフとか読んで、余分な知識を入れる前に急いで感想を書いてみた。今から読んで、またどうなるんだろう。