ギターソロ

バンプオブチキンに手が伸びるってことはきっと弱ってるってことだ。
思春期にヒリヒリした感情を押さえてくれた音楽って言うのはきっと記憶から、無意識から消えることはないと思う。
って、この曲は大学入ってからか。『ハルジオン』
バンプオブチキンの素晴らしいところは詞とメロディー、そして声。1曲あたりの詞の量の多さ、物語の展開、それを支えるBGMともいえるような演奏、そしてあのかすれかかった声。
このあたりの作品は、前2作からの発展途上、途中経過感を感じさせる。プロとしてデビューしてからその制作ペースは非常に遅く、高校生としてその世界観にやられたファンは、少しだけ速いスピードで青年になってしまった。だんだんと開いていく距離は、何も前後だけではなくて、ねじれの位置とでも言えるような、そんなズレ。
それでも、ふと聴きたくなって、CDプレイヤーに入れるのは断然この曲が多い。『天体観測』より、ずっと力の抜けた演奏…と言うかアレンジ。でも歌詞はどこかぎこちない。詞の世界に昇華し切れていない直接的な言葉が、ひたすら羅列されてゆく。状況説明も詳しすぎる。物語としても、彼らの作品のなかでも決して革新的なものではない。
この曲に惹かれる理由はなんなんだろう?
大学に入って半年、バイトも始めたばっかりで、バンドも何もかも上手くいっていなかった時期の記憶。それを少しだけ思い出す。直接的なあまり技術の高くない歌詞は、断片でも、引っかかり、それにどこかすがっていた。
「揺るぎない信念」なんて。